NHKニュース 告知

 
 
 

本日12月16日(水)NHK宮崎18:10〜19:00 「イブニング宮崎」内のコーナーで御崎馬が取り上げられます。
都井岬に来られる皆さまからみても、あまりなじみのない姿が見られますよ。

NHK告知①
 
 
 
 


放送では、御崎馬の採食行動の一部が取り上げられます。
御崎馬は冬の間様々な植物を食べており、今回はその一部をご紹介させていただきました。

12月ターザン森
 
 
 

いつも都井岬を出入りしているとそれほど珍しい行動でもないのですけれど、
ではいざご紹介となると、狙って出会えるものでもなく撮影できる場所で出会えるとも限りません。

 

映像として記録され、地上波で公開されるのは、おそらく世界でも初の事例でしょう
(撮影に成功して本当に良かった)。

NHK②
 
 
 

「知ってるよー」「見かけたことあるよー」という方がいらっしゃったら、それはすごいこと。
「僕/私は放送前から知ってたぞ」、と是非是非自慢してください。

 


TV画面に映っている御崎馬の姿を「ちょっと面白いなー」「良いなー」と感じていただけたら幸いです。



 
 

そして「野生状態のウマとはなんぞや」と思いを巡らせていただけたら。。。

森イメージ
 
 
 

放送を受けてまた後日、補足や詳細な説明などより深い内容をここで紹介できたら、と考えています。

 
 


 
馬の数だけドラマがある ポスター
 
 
 
 
 
 

キンミズヒキと御崎馬

 
 
 

最近、御崎馬のタテガミに何やらくっついています。
キンミズヒキ 0770
キンミズヒキ 0770 アップ
 
 
 
これはキンミズヒキという植物の種子です。
(学名: Agrimonia pilosa var. japonica バラ科ミズヒキ属 多年草)

 
キンミズヒキ
キンミズヒキ アップキンミズヒキ 種

 


キンミズヒキの種子には小さなトゲがたくさんあります。
このトゲで通りがかった動物の体毛などにくっつき、新たな場所に運んでもらって分布を拡げます。
都井岬では、御崎馬も種子の運搬役を担っています。言うならば、虫や風ならぬ馬散布。。。

 
 

しかし、比べてみると実があまりついていない馬とたくさんついている馬がいます。
かたや、ぼちぼち。。。

キンミズヒキ 15x19キンミズヒキ 1494
 
かたや、たくさん。。。
キンミズヒキ 15x9
キンミズヒキ 0770 -2
 
 

種子のあまりついていない方の馬群は、行動範囲が狭く丘の芝地を主な行動圏にしています。
一方でたくさん実がついている方の馬群は、行動範囲が広く森や藪の中を移動することも多いです。
もし、たくさん実がついている御崎馬を見かけたならば、その馬は今まさにキンミズヒキの群落を通り抜けて来たのかも知れません。

 
 
 
 

ムラサキセンブリ

 
 
 

都井岬に8種ある絶滅危惧植物の1つ、ムラサキセンブリが開花しています。
ムラサキセンブリ
(学名: Swertia pseudochinensis リンドウ目リンドウ科センブリ属 多年草)
環境省のレッドデータブックでは準絶滅危惧種(NT)、宮崎県では絶滅危惧Ⅱ類(VU)として掲載されています。

 
 

ムラサキセンブリ2
 

なお、園芸種をお探しの方は「イブニングスター」で検索してみてください。
センブリに比べて薬効は少ない反面、大ぶりなお花が楽しめます。
花言葉は「すべて良し」です。

都井岬でお見かけの際は、そっと大切にお見守り下さい。

 
 
 
 

ネムノキの就眠運動

 
先日ご紹介したネムノキ。
夜の様子をみにきました。

IMG_2010


「ねむ」のき、という名前通り、まるで眠っているかのように葉を閉じています。
日中は開き花や葉を開き夜になると
たたむこの運動は、ネムノキ以外にもさまざまな植物で確認されており、総じて「就眠運動」とよばれています。
 
 
ちなみに昼はこんな感じで
ネムノキの葉 昼
夜はこうなっています。
ネムノキの葉 夜

 
 
 
それにしても、動物と違って筋肉をもたない植物ーネムノキはいったいどうやって葉を開閉しているのでしょう?その仕組みはすでにずいぶん明らかにされているようです。
ネムノキの葉の根元ーちょうど開閉運動に合わせて折れ曲がる部位には、開閉運動をつかさどる運動細胞がありました。この細胞が大きくなると葉は持ち上げられ、しぼむと葉は畳まれます。運動細胞の大きさを変える原因は主に「水」と考えられています。大量の水が運動細胞の内部に入り込んで細胞を膨らませ、その膨らんだ細胞が葉を押し上げているのです。

 
ではどんな仕組みで昼と夜で水の入り方が変わるのか。
東北大学で、植物の覚醒/就眠に作用する化学物質が具体的に特定されたり、その化学物質の濃度バランスが昼夜で逆転することが確認されたりと、着々と研究が進められているようですよ。

 
 

上田実、山本庄亮、「植物の運動を引き起こす化学物質 : 生物時計による就眠運動のコントロール」有機合成化学協会誌  
 57(7), 571-580, 1999-07-01
https://www.jstage.jst.go.jp/article/yukigoseikyokaishi1943/57/7/57_7_571/_pdf

東北大学大学院理学研究科化学専攻(有機化学第一研究室)
http://www.orgchem1.chem.tohoku.ac.jp/orgchem1/Research_jag.html

ネムノキ

都井岬入り口「駒止の門」から都井岬灯台へと向かう県道沿い、
林縁の高木に、ピンクの花がたくさん見られるようになりました。
チアリーダーのポンポンのような、ふわふわした花。
合歓(ねむ)の花です。

IMG_2011

ネムノキAlbizia julibrissin、合歓木)はマメ科ネムノキ亜科の高木です。
背の高い木ですが、傾斜のある都井岬では道路から谷側を探すと、ちょうど目の高さで花を見ることができます。

近づいてよくよく見ると
一つの花に見えていたポンポンは、実は小さな花のあつまりだとわかります。
(下の写真ではまだ花が咲く前のつぼみが映っていてわかりやすいですね。)※1
ピンク色の糸状のものは、花びらではありません。
長くて、花びらよりも目立っている「雄しべ」です。
雄しべの先端に、黄色い粒がついているのが見えますか?
この粒は葯(やく)です。この中に花粉が入っています。IMG_2008

花粉がめしべについて(受粉して)初めて、ネムノキは子孫を残すことができるのですが、
みれば肝心のめしべの成熟は遅く、雄しべが萎れたころにようやく成熟します(雄性先熟)。
それでは子孫は残せないのでは?といえば、そんなこともありません。
遅れて成熟しためしべは虫たちを媒介者として、よその花から花粉を受け取ります。
成熟する時期をずらすことによって、自分のめしべを自分の花粉で受粉させてしまう事態「自家受粉」を避けることができています。
自家受粉が避けられる理由はまたいずれご説明しますね。


※ 1 このように、いくつもの小さな花(小花)が一つの大きな集合体(頭状花)をつくる構造を「頭状花序」とよびます。花序(花の集まり方・並び方)は花の種類を見分けるうえでまたいずれ。

万能薬ウツボグサ―6月の草花

雨の続く都井岬ですが、季節は着々と移り変わりつつあります。
春の鮮やかな花たちは既に種となり、この季節はすこし控えめな様子の花々が多くなります。


今日は最近都井岬で見られる花、ウツボグサ(Prunella vulgaris L. subsp. asiatica)をご紹介します。
ヨーロッパやアメリカに生息するセイヨウウツボグサ(Prunella vulgaris)の亜種です。

IMG_2001

ウツボグサの仲間は英語でself-heal(自己-治癒)とかheal-all(全-治癒)などと呼ばれており、自己治癒力を高めるハーブとして広く利用され来ました(例えば眼精疲労から胃腸薬、強壮剤、外傷薬など)。日本でも生薬として利用されており、「日本薬局方」にも夏枯草(カゴソウ)という名称で記載されています。

煎じてお茶にしたり、若苗を炒めたり揚げたり、花弁をサラダにしたりと、活用方法は様々。けれど匂いや味はあまり強くないのだとか。

 

学界ではその抗菌作用・抗ウイルス作用が注目されています。「ウツボグサの抽出物がHIVウイルスの増殖を抑える」とか「アレルギーを抑える」なんて論文が出るなど、有効成分の活用が期待されているようです。

1) 厚生労働省「日本薬局方ホームページ」 第十六改正日本薬局方(平成23年3月24日厚生労働省告示第65号) p.1466「カゴソウ」

2) Li-mei Lin, Hui-Min Gao, Jing-jing Zhu (2015).”Prunella vulgaris L. 夏枯草 (Xiakucao, Common Selfheal)”. Dietary Chinese Herbs. 3
: 469-475. doi:10.1007/978-3-211-99448-1_53.

3) Collins RA, Ng TB, Fong WP, Wan CC, Yeung HW (1997). “A comparison of human immunodeficiency virus type 1 inhibition by partially purified aqueous extracts of Chinese medicinal herbs”. Life Sci. 60 (23): PL345–51. doi:10.1016/S0024-3205(97)00227-0.PMID 9180371

4) Kageyama S, Kurokawa M, Shiraki K (March 2000). “Extract of Prunella vulgaris spikes inhibits HIV replication at reverse transcription in vitro and can be absorbed from intestine in vivo”. Antivir. Chem. Chemother. 11 (2): 157–64. PMID 10819439

都井岬の絶滅危惧植物 フナバラソウ

 
 
 


都井岬にはフナバラソウが自生しています。

フナバラソウ 全景

 
 
 

“フナバラソウ” の名前の由来は、この花が終わった後につける袋果(たいか・・中に種子が入っている)の
中央腹部が舟のように膨らんでいることから「舟腹」ー フナバラ ーと名付けられました。


種子散布時に袋果の割れた様子はまさに小舟のようですが、それはまた追って種の季節のお楽しみ。

フナバラソウ 花部アップ

 
 
 
(学名:Vincetoxicum atratum)リンドウ目キョウチクトウ科カモメヅル属の多年草です。
葉は対生(茎の節に2枚の葉が向かい合ってつくこと)し
裏面と茎の上部にはビロード状の軟毛を密生します。

フナバラソウ 上部
フナバラソウ  葉
 
 
 

フナバラソウの根は漢方では「白薇」として、解熱&利尿に使用されています。
最近では、おはようからおやすみまで私達を見つめてくれている黄色いライオンのあの会社が
フナバラソウのアルカロイド化合物であるフェナントロインドリジジンから、「毛成長抑制」効果を発見し
特許を取得しています。

ライオン

体毛を剃ったり抜くのではなく、そもそも「生やさせない」といった発想でしょうか。
商品化された際はお手入れの負担軽減が見込まれることから、
美容意識の高い方や、スキンヘッダーを志す方々には重用されそうです。あとお坊さんとか。

 
 
 


 
 
 


フナバラソウは全国的的に減少が報告されており、絶滅の危険が増大している種ということで
環境省&宮崎県のレッドデータブックリストに絶滅危惧Ⅱ類(VU)として掲載されている植物です。

フナバラソウ 見上げげ

彼らにとって理想的な生育環境とは、日光を遮るライバルのいない
丈の低い風通しの良い草地です。

 
 
 


都井岬では、御崎馬が年がら年中シバを食んでいます。
そうして御崎馬が、短い芝生の状態をキープするのに一役買う事で
フナバラソウにとって理想的な生育環境が整えられています。

馬とフナバラソウ

(御崎馬はフナバラソウを食べません。上記の様に薬効成分があるということは、要するに毒があるという訳で、御崎馬はちゃんと食べ分けています。)
 

御崎馬あっての都井岬フナバラソウであるというお話しでした。

 
 
 

ヘビイチゴ 都井岬の植物


都井岬にお越しになったとき、皆さん目線はどちらを向いていますか?
一直線にウマでしょうか?遠くの海など景観を眺めるかもしれませんね。
お足もとはいかがでしょう?じっくりご覧になったことはありますか?


今日は、最近都井岬の足元で見られる真っ赤なおチビちゃんをご紹介します。
日本全土で見られます。バラ科の草本。ヘビイチゴです。
まずはウマを交えた写真から。どこにあるか、見えますか?

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

足元にぽつぽつ赤い実が見えますね。
少し場所が変わりますが、見下ろすとこんな感じ。イチゴだらけ。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA


アップにしてみてみましょう。
どーん

Photo watermarked with iWatermark for iOS.

あら可愛い


背丈が低く、赤い実をつけていなければほとんど目立たないヘビイチゴ。
まるでキイチゴのようで美味しそうですが、ヘビイチゴは食べられません。
(食べても無毒ですが、ぜんぜん美味しくありません)


食べることはできませんけれど、軽くネットで検索すると、
「焼酎漬けにしたら虫さされに効く」と噂されていますね。
スタッフは試したことがないのでその効果の程はわかりませんが、
都井岬の外で(※)見かけたら試してみようと思います。ご報告はいずれまた。
(※都井岬は文化財保護法および自然公園法によって守られています。そのため岬内では許可なく自然物を採取することができません。)


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少し脱線しますが、ヘビイチゴの文献を調べていたらこんな情報に行き当たりました。
「ヘビイチゴと万年茸を合わせて処方すると、白血病のHL60細胞のミトコンドリアに
ダメージを与えて細胞死を引き起こす」(注:情報の信頼性は判断できません)—–1

まさかガン研究の文脈中でヘビイチゴが登場するとは。
私たちにとって身近な動植物が、どこでどんな注目を受けているかなんてわからないものですね。
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2003年には遺伝的に解析され、
キジムシロやミヤマリンバイの仲間と分類されたヘビイチゴ。—–2)
3月には黄色いお花を咲かせていました。

ヘビイチゴ


すきっ歯みたいな花弁がチャームポイント。
ウマノアシガタやカタバミなど都井岬で咲く他の黄色いお花にまぎれて咲いています。


都井岬ではヘビイチゴに少し遅れて野いちごも実をつけています。
そちらについてはまた別にご紹介しますね。


文献
1) Kug Chan Kim,et al. (2007).”Enhanced induction of mitochondrial damage and apoptosis in human leukemia HL-60 cells by the Ganoderma lucidum and Duchesnea chrysantha extracts”.Cancer Letters.246(1-2),210-217.
2) Torsten Eriksson, et al. (2003). “The Phylogeny of Rosoideae (Rosaceae) Based on Sequences of the Internal Transcribed Spacers (ITS) of Nuclear Ribosomal DNA and the trnL/F Region of Chloroplast DNA”. Int. J Plant Sci. 164 (2): 197–211.


都井岬は春真っ盛り

晴天ウマノアシガタ

気温20℃ 北東の風6m

ここ数日、天候に恵まれなかった都井岬ですが
今日は午後から快晴です。(風は少し冷たいです)

悠々と草を食む御崎馬の足元には
キンポウゲ科ウマノアシガタが黄色に咲き誇っています。

このウマノアシガタには毒がある為、御崎馬は食べません。
御崎馬はちゃんとわかっています。

 

これでもかとばかりのオキナグサ群生

オキナグサ群落

 

レッドリスト(国絶滅危惧Ⅱ類)のオキナグサが
都井岬ではこんなに群生しています。

 

 

オキナグサには毒があるので御崎馬は食べません。
御崎馬はオキナグサを避けて周りに生えている草だけを食べてくれます。

 

 

結果、オキナグサへの日光を遮るライバル草は駆逐され
丈の低いオキナグサでも日光を独り占めして、群落が形成されます。

 

 

ナイス!御崎馬。